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vol 8. Toko

By Saaya


Tokoさん

3年生・社会学専攻



Tokoさんに出会ったのは、1年生の寮、Lister centre。

日本人正規学生が少ないアルバータ大学。「まさか同じ寮の隣の部屋に日本人の同級生がいるなんて運命だ‥!」と思わずにはいられなかった2017年8月。


それから2年半。今では、私生活での交流だけでなく、2018年に一緒に創設したUAJSAとAlbertaurusの運営など、私のアルバータ大学での学生生活を語る上で欠かせない人物となったのが、今回のHumans of Alberta、Tokoさんです。


普段から色々なことを共有する仲のTokoさんと私ですが、今回のインタビューでは、大学3年目後期を迎え、専攻である社会学という学問をどのように捉え、学んでいるのか、一学生としてのTokoさんにスポットを当ててみました。また、UAJSAの立ち上げから一年経ったこのタイミングで、見えてきたUAJSAの課題についても意見を交換することが出来ました。


社会学という学問

なぜ社会学を専攻に?


もともとは、マーケターになりたかった。父親に相談したら、商学部(Business school)で学べるマーケティングのスキルというのは、仕事を始めれば身につけることが出来るから、『社会の中の個人の行動』について学ぶことが出来たら強みになるんじゃないかというアドバイスを貰い、専攻を社会学に決めた。ただ、1年目の終わりには、マーケターに対する興味は薄れた。でも、社会学自体は、とてもおもしろくて続けてる。」


どの分野の社会学が面白い?


「どのトピックも衝撃的。貧困問題、男女格差、サステナビリティ、労働問題、色々な社会問題について沢山勉強するんだけど、どれも興味深いから、幅広く学んでいきたい。でも、色々な社会問題を扱った中で一番記憶に残っているのは、”Sweatshop”というファスト・ファッションの洋服を作る工場における労働問題。発展途上国には、ファスト・ファッションの洋服を作る工場が沢山あって、労働者たちがどんな扱いを受けているのかということについて勉強した時、衝撃的であると同時に、自分にも深く関わりがある問題だけにとても身近に感じられた。このトピックを学んで以来、自分の意識も変えていかないとなと思った。」


どんな人達に社会学を専攻として勧めたい?


「社会学は、Arts学部のなかでも一番多角的な視点を得られる専攻だと思う。ある一つの社会問題を別々のグループの人たちがどう見ているのか、その人たちの視点を学ぶのが社会学。例えば、ジェンダーに関する問題をとっても、白人女性、黒人女性、男性、それぞれに違う意見や考え、立場を持っている。そんな風に社会における様々なバックグランドを持っている人たちそれぞれの視点に寄り添って、問題を分析する学問。自分は、アジア人の女性としてこれまで見てきた視点みたいなものがあるけど、白人女性・黒人女性は、同じ問題について全く違う意見を持っていることにも気づかせてくれる。


講義の時も、自分とは違う意見を持っている学生がいて、色々な意見に寛容になれるのも社会学を専攻とするいいところだと思う。講義以外の場面であっても、これまでは、自分の日本人というバックグランドを持って政治や経済の話をする時、他国籍の子から自分の意見を否定するような意見を言われると構えてしまうことが多かったけど、社会学を学ぶようになってからは、『アイデンティティ』と『意見』を離して考えられるようになったと思う。育ってきた環境によって人の意見は構成されていくもので、色々な考えがあることが自然だと気づかせてくれた。だから、色々な人たちの意見を知りたいと思っている人たちにはすごくいい学問だと思う。それに、課題として色々な意見を踏まえた上で、自分なりの結論を出すという趣旨のエッセイを書くことも多いから、論理的に考える力も鍛えられる。これって、これからの『答えのない時代』に生きる者としてとても必要になってくるスキルだと思う。」


理系の私も選択科目としていくつか社会学のクラスを取ったことがあり、今回Tokoさんが話してくれた社会学を勉強することの意義について共感することが多くありました。グローバル化が進み、様々な国や文化の人たちと関わることが増えていくこれからの時代に生きる現代人として、身につけておきたい教養を学ぶことが出来るのが社会学だと思います。「普通」とはなんなのか。自分のものさしで図る「普通」は、必ずしも他者にとっての「普通」ではないということ。いかに自分以外の人たちの意見や立場に寄り添って、社会が抱える問題について考えていけるのかがとても大事なことだと、Tokoさんのお話を聞いて、改めて認識することが出来ました。



UAJSAの立ち上げから1年 ―達成できたことと見えてきた課題

「設立当初の目的の一つである、『色々なバックグランドを持つ人との繋がりを持てる場所を作り、ネットワークを広げる』という意味では、きちんと達成できた思う。」


2018年11月に創立したUAJSAも初年度の時点でカジュアルな飲み会から就活セミナーに至るまで、様々なイベントを開催し「コミュニティーを作る」という意味においては、達成感を感じられるものだったそうです。収穫があると同時に見えてきた課題についても率直な意見を聞くことが出来ました。


「(様々なイベントを開催し、繋がりの場を提供するという目的は達成できたけど)予想していたより、参加率という面においては、小規模だった。

中には、『海外の大学に通っているのだから、他の日本人学生とあまり交流したくない』と思っている子たちもいると思うし、その気持ちは、よく分かる。ただ、この場所に集まっている日本人学生は、みんな色々なバックグランドを持っている。だからこそ得られる刺激というのは、大きいし、色々なことを学べると思う。それぞれにUAJSA以外の場所で仲のいい友達がいることもとても大事だと思う。でもそれとは別にUAJSAを『刺激を得る場所』としての目的を持って参加してほしいなと思う。」



単なる情報だけじゃなく、学びを共有し、互いの刺激になる。卒業したあとも相談に乗ったり、応援しあえる繋がりを作りたいと思ったのが、私達がUAJSAやAlbertaurusを設立しようと思った理由でした。今回のインタビューを通して、私達が改めて感じたのは、「海外の大学だから日本人とは交流したくない」と思っているのは、少しもったいないよね、というものでした。人との出会いは、財産。それが日本人なのかカナダ人なのか、自分自身で壁を作る必要はないと思います。私にとっても、Tokoさんとの出会い、そしてこうして二人でUAJSAやAlbertarurusの立ち上げに挑戦できたことは、大きな経験そして財産になりました。後輩たちもUAJSAはもちろん、色々なコミュニティーに参加し、友達の輪をどんどん広げていって欲しいなと思います。



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